戦国の花嫁■■■最果ての花嫁06■


気持ちを確かめ合ったのも束の間、夜の帳が落ちるのも待てないとばかりに、男と娘は、しっかと抱き合っていた。
男の手管に翻弄されながら、娘は、思う。
一体、何人の女子を泣かせてきたのだろうか?
そんなことを聞こうものなら、にやりと笑みを浮かべて、焼きもち?と返ってくるだろうから、絶対に口にしたりはしないのだが。
「何、考えてんの?」
不満そうに男が言う。
なんで、他事を考えてるのが分かったのだろうと娘は驚く。
「本当なんだなって」
「何が?」
「女の人しか興味ないってこと」
「もっとも、今は、姫君だけだけどね」
ちゅっと音をたてて、男は娘の額に口付けを落とした。
「今だけ?」
上目遣いで尋ねると、男は、目を瞬かせて、ぐるりと目の玉を回し、笑った。
「今も、これからも、ずっと」
「ならいいわ」
娘は、にこりと笑って、男に口付ける。男は、驚きつつも、それに応えて、口付けを深いものにする。
男の手が、下へ下へと下がっていく。閉じられた大腿をやわやわと撫で回す。
その動きに堪らず、娘はため息を漏らした。
優しくて、夢中にさせるその動きは、徐々に娘の中心を捉え、娘は力なく大腿を広げる。
花芯をそっと撫で、ぐっと潰す。娘は、ふわりと腰を浮かす。その隙に、男は膝を割り、体を入れると、ぷくりと熟れた娘の花芯に口付けを落とした。
「もぅ…だめ。あっぁああ」
びくんっ、びくんっと体を跳ね、娘は達した。けれど、男は休むことなく、娘の花芯を弄る。
「いやっ、またぁ、んんん」
惚けたように、視線を彷徨わせる娘を綺麗だと男は思った。
「すごいそそられる表情だ」
その思いを思わず口にしてしまい、にやりと笑う。
娘は、恥じらいを見せるのか、少し口を尖らせて、ぼそりと何か呟いたが、エミシの言葉だったのか、男は聞き取れず、何?と聞き返すが、教えないと返ってきたので、少し面白くない。
「そんな事言っていいの?あげないよ?」
ずいっと体をさらに割り入らせて、蜜壺の入り口に男の欲望をつんつんと触らせる。それさえも、刺激的だったのか、女は、あっと声を漏らした。
「さぁ、なんて言ったんだい?」
勝ち誇ったように言われてしまえば、こちらも簡単に口を割るものかと、娘は恨めしそうに男を見据えた。こうなれば、我慢大会である。
受けるばかりの娘に、攻める男、不利なのは言うまでもなかった。
少しばかり花芯を弄られるだけで、いやいやと涙を流す娘に、男は、溜息を吐いた。
「分かったよ、俺の負けでいいよ。まったく強情な姫君だね」
涙で濡れた頬をそっと拭ってやると、今度こそ本当に娘の胎へ己を埋めていった。
「名前、教えてくれない?」
完全に一つになると、男はそう尋ねた。
「エミシの娘の口は堅いの」
娘は、困ったようにそう呟くと、男の首に手を回し、ごめんね、と囁いた。謝られてしまえば、それ以上の言葉を継げるはずもなく、男は、じゃぁ、俺の名を呼んでいて、と呟いた。娘は、にこりと笑った。
「大好きよ、儀郷くん」
「俺も、大好きだ」
ぐっと抱き寄せ、腰をさらに突き上げると、娘は、あぁと声を漏らした。

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